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点検報告書と管理方法:何を残すべきか、どこを見るべきか
非常用発電機の点検や整備は、作業そのものだけでなく「記録をどう残すか」も重要です。
しかし現場では、
・報告書がバラバラで比較できない
・修理履歴が見つからない
・負荷試験のデータだけ抜けている
・どれが最新か分からない
・更新計画が立てられない
といった混乱が起こりやすく、
管理担当者がもっとも困るのは、運用より“管理の管理”といえます。
◆なぜ記録が大切なのか|管理は「見える化」で成立する
非常用発電機は、普段動かない設備です。
動かないからこそ、次の点検まで「状態の証拠」が残りません。
そのため、記録には
・点検時点の状態を証拠化する
・整備・交換時期の判断材料になる
・トラブル時に原因を遡れる
・異常傾向(劣化)を把握できる
・上長や管理者へ説明できる
・設備更新の根拠になる
という役割があります。
記録がなければ、判断も説明も計画もできません。
◆管理で残すべき代表的な書類
非常用発電機に関して残しておくべき記録は、最低限でも以下が挙げられます。
●点検記録(定期点検・内部観察など)
●整備記録(部品交換履歴・作業内容)
●負荷試験データ(測定値・判定・異常)
●運転履歴(自主試運転など)
●故障・トラブル履歴
●設置仕様書・メーカー情報
●更新履歴・整備計画
これらは単発で見るのではなく、積み重ねで意味を持ちます。
◆点検報告書の「どこを見るべきか」
点検報告書は、形式が業者ごとに違っていても、見るべきポイントは実は似ています。
例として、管理者がチェックすべき項目は以下です。
✔異常判定項目
・異常/要観察/要整備 の区分があるか
・判定の理由が明確か
✔交換・整備に関する提案
・推奨設備の有無
・緊急か、次回か、時期が書かれているか
・交換時期に根拠があるか
✔備考欄の扱い
・備考に重要情報が集まりやすい(実例多い)
✔測定系データ
・バッテリー電圧
・絶縁抵抗値
・油温・水温など
データは累積で見て管理してこそ意味を持ちます。単発では良し悪しが判断しづらいからです。
◆よくある管理トラブル例
現場で実際によく起きるのはこういうケースです。
➊「前回の整備履歴が分からない」
→部品交換時期が判断できず余計な整備 or 放置
➋「報告書が業者ごとに形式バラバラ」
→比較できず、傾向がつかめない
➌「負荷試験データだけ抜け落ちている」
→本当に動くか判断できないまま
➍「自主運転の記録が残されていない」
→トラブルの前兆が見えていない可能性
記録不足は、実は点検漏れより危険な場合もあります。
◆何年分を保管すべきか|基本は「長いほど良い」
非常用発電機は劣化設備なので、
傾向管理(トレンド)ができるデータ量が大事です。
目安としては、
・最低でも 5年
・できれば 10年
・更新計画も含めるなら 15年~20年
残す価値があります。
設備更新の判断は、
『一回の点検だけではほぼできない』ためです。
◆管理者が持つべき視点は「判断の根拠」
書類を残す目的は、書類そのものではなく
|『設備・修理・更新の判断ができる材料』
を残すことです。
その意味で、
・読み返せる
・比較できる
・説明できる
・更新の根拠になる
ここまでできる状態が理想です。
◆まとめ|点検は“見ること”、管理は“残すこと”
非常用発電機は、動かないことを前提にした設備だからこそ、
・点検→状態を知る
・記録→情報を残す
・整備→対策する
この三つがそろって初めて、「非常時に動く設備」になります。
記録はその中で、
もっとも過小評価されやすいが、もっとも重要な部分です。
「記録がバラバラで整理できない」
「どの情報を残せばいいか分からない」
という場合はお気軽にボントン株式会社までご相談ください。
